#13 TurnOver

High Speed Turn

Alex:さてとお腹も膨れたことだし帰りますか
Maria:あーあ、月曜日からはまた学校よ
Liz:あなたの休暇は、まだ1日残っているでしょ
Maria:そうだけどね・・
マリアはチラっとマイケルを盗み見た
やっぱり・・全然気がついてないみたい
こんなチャンス今度いつ起きるかわからないのに
ふぅ〜また急ブレーキかぁ...
がっかりしたようなホっとしたような複雑な気分だった

Alex:聞きたいと思ってたんだけれど、このロッジ壊しちゃうんだよね
Max:残しておいて誰かに見つかると不信に思われるから
 せっかく修理して少し惜しい気がするけれどしかたないよ
Liz:このロッジがあると冬休みにもキャンプに来られるのに残念だわ
Maria:冬にキャンプ! ふぅん、なるほどネぇ
意味深な返事をするマリアをリズが睨んだ
ロッジの外には普段どおりの森の静けさと傾いてきた太陽の木洩れ日が広がっていた

Alex:相談なんだけど、せっかく使えるようにしたんだから残しておかないかい
 見つからないようにパワーで隠しておけばいいだろう、秘密基地があったら絶対便利だよ
 作戦会議が、いつもマイケルのアパートじゃ都合が悪いことも起きるだろ
マイケルの真似をしてアレックスが眉を動かした
Maria:今の聞いたリズ アレックスもロッジを使う気かしら?
 驚いちゃうわよね
Liz:考えすぎよ、どちらかと言うとあなたが一番じゃないの?
Maria:またまた言ってくれるわね
 ま、みんな日々成長しているってことかしら
マリアはリズに続いて外に出ようとした
Maria:え?ちょっと、なんなの!?
マリアは入り口から一歩も前に進めなかった
Max:確かにそうだね ここは町から少し離れすぎているけど、悪くない考えかもしれない
 どうするマイケル?

マックス達が振り向くとマイケルとマリアの二人とも、まだロッジから出ていなかった
マイケルの腕がマリアのウエストに回わり入り口に釘付けにしていた
Michael:悪いな
 僕達の休暇はまだ終わっていない
ニッコリするマリアが親指を立てているのをリズは見逃さなかった
イザベルの唇がアレックスに向って"ほらね朝食でしょ"といっていた

Max:あ・・ロッジは壊さないでくれ
Michael:どういう意味だ?
 お前の冗談は笑えない
マイケルの眉が上がった


ドアが閉まるのが合図のようにマイケルはマリアを抱きしめた
Maria:マイケル..ちょっと..
 ちょっと待ってよ
Michael:もう待つのはイヤだ
 幻みたいなお前もイヤだ
 二人とも..ずっとこうするのを待っていた..違うか
Maria:そうよ..幻なんかじゃなく本当に触れられるあんたに逢いたかった
Michael:それなら、もう待たなくてもいい
Maria:そうじゃないの
 あんたに言わなきゃいけないことがあるのよ..
Michael:あとだ
熱波が再び押し寄せていた
マリアを抱き上げながらマイケルの手は竜巻のように
彼女の衣服を剥ぎ取っていった
しかし倒れこむように横たえたマリアの胸に残されていたものを目にした瞬間
マイケルの手が止まった

Michael:マリア、これは・・
Maria:だから言ったのに・・
マリアの胸には小さな手では隠し切れないマイケルの手形が
銀色に輝いていた

Maria:あんたが残した予約済みのサイン
冗談ぽく言うマリアの言葉にマイケルは何も言えずマリアの隣に寝転ぶと
天井を睨んでいた
Maria:あんたが最初にあたしを助けてくれた時からずっと消えなかったの
 くじけそうになるたびに、これに触るとあんたが側にいてくれる感じがした
 どんなに離れていたって、あたし達はいっしょにいると思えた
 だから、これが消えなければ絶対逢えると信じられたわ
 あんたが戻ってくるまで、あたしの大切なお守りだったの
Michael:結末はまたいつもと同じか・・
 大きいこと言っておきながら、またガッカリさせるだけか
 いろんなことがあって少しは成長したと思っていたのに
 人の気持ちは二の次の勝手な奴に逆戻りだ
マイケルの手は行き場を失ったように自分の胸に置かれていた

違う..違う!違う!!!そんなこと言いたいんじゃない!
マリアは心の中で叫んでいた
どうしてこんなに鈍いんだろう
だんだん怒りが込み上げてきた
我慢が限界に来るとマリアは起き上がり圧し掛かるようにマイケルを上から見下ろした
グリーンの瞳が怒りで明るくなっていた
Maria:はっ!ほんとにそうよね!
 女の子の気持ちなんて全然わかってない
マイケルの胸に置かれていた彼の手を払いのけるとTシャツを剥ぎ取るように
脱がすと後ろへ放り投げた
Michael:何する気だ...
Maria:うるさい!黙っていてよ
マリアはマイケルの胸に自分の手のひらを押し当てた
何も起こらなかった
Maria:ほら!やっぱりあたしには出来ないじゃないの!
 あたしだって、出来るんだったら、ずっと前からマリア専用のタグ付けたかったわよ!
 バカみたいに正直に言ったでしょ
 こんな風にあんたに触れられることを、あたしがどれだけ待っていたかなんて
 どうせ考えもしなかったんでしょうね
 それとも、あんまり長く別の星にいたせいで宇宙ボケでもしたのかしら!

見下ろしているマリアの頬が染まっていた
呼吸のたびに、彼女の胸で自分の手形が上下しているのが見えた
文句をいいつづけるふっくらとした唇よりもマリアの望みを主張してくる
目の前の光景にマイケルは微笑んでいた
Maria:何が可笑しいのよ!人の話をちゃんと聞いてるの!?
Michael:聞いているよ
 いくら特別の体験をしたってお前が異星人に変身したわけじゃない
 無茶なことをいう奴だ
 あと1000年くらいあれば進化した人間が現れるらしいよ
 だけど、お前の怒った顔を見たら間違いなく戻ってきたのが実感できた
 僕はお前の怒る顔が気に入っているのかな
Maria:馬鹿にしてるの!
Michael:してません
Maria:ふん、そんなヘラヘラした顔して何言われたって信じられると思うの
マリアは怒りのあまり自分の無防備な状態を忘れていた
Michael:そのとおりだな
 でも、目の前にあんまり刺激的な光景があるから見とれていた
Maria:えっ?あっ、やだ!
マイケルは慌てて隠そうとするマリアの手首を掴むと再び体を入れ替えた
Michael:もう遅いよ
マリアの両手を彼女の頭の上で片手で抑えるともう一方の手で
自分の手形をなぞりはじめた
Maria:マイケル・・
Michael:しぃーっ、黙って
マイケルの指が滑るように動いた
親指..不思議だよな
  人差し指..パワーの残留物はせいぜい1日で消えるはずなのに
   中指..ため息といっしょにマリアが目を閉じた
    薬指..なぜ何日も残っていたのかな
    小指..マイケルの手が残されていた手形と重なった
マリアの深呼吸と共にマイケルの手のひらを柔らかな弾力が押し返してきた
二人の冒険といっしょに過ごしたサインが消えた
マリアの腕を押さえていたマイケルの手が彼女の頬を包んだ
Michael:予約の札は外したけれど
 予約は有効だよな
Maria:安心して、予約のときから貸切よ
マリアの腕がマイケルの首に回った
Michael:僕のシーンズは今度も君が脱がすのかな
Maria:今度は思いっきり下心ありだけど、いい?
二人の笑みがkissに変わった

どうしよう...心臓が飛び出しちゃいそうだわ..
体中の細胞が蒸発しそうな気分..
頭では理解しているつもりでも、次に起こることが少しだけ怖かった
Michael:Maria,relax.
 I don't wanna hurt you.
Maria:I know..just..I got nervous.
I feel... I scared of a little.
 I mean.. I was not teflon babe now.
 You don't care...I'll get scar a bit like you.
マリアの指がマイケルの大腿に残された傷に触れた
Maria:And I do know that you never hurt me.
 It just seems like a small thing.,right?
Michael:hum.. a small thing.
マイケルの視線が下に向けられた
Maria:no! no! no!!!
 God! I didn't say such a thing that you took a different meaning!
 You are imagining a huge mistake.
Michael:oh...This is normal.
Maria:I am Not saying about your size.
 Are you kidding me?
Michael:Were you able to be relaxed?
マイケルがマリアを強く抱きしめた
マリアの耳に早鐘のようなマイケルの鼓動が響いていた
Michael:わかるか?僕だって同じだ
 手形がつけられないと言ったけれど、ずっと前から君の手形は僕の心の奥に
 刻みつけられていた
マリアは光の繭の中でマイケルに抱きしめられていた感覚を思い出していた
Maria:Michael..I wanna feel you.
Michael's hand rubbed her thigh and groped her Core.
His leg separated her legs.

Michael:I love you.
Maria:I love you, too.
 You know..your love always keeps taking me higher.

She tasted his kiss and he touched her soul.
Then felt that her inside is filled with him.
Maria was feeling things she has never before.
Michael was in the same feeling as her
He was moving inside her gently and got her feeling more.
二人は再び光に包まれて繭の中にいた
温かな水の中にいた
空に舞い上がり遥かな宇宙の中にいた
   "魂の相手は黙っていても磁石みたいに惹かれあうのよ
  でも、出逢えたからといって油断しちゃだめよ
ちゃんとお互いのことを理解する努力をしなくてはいけないわよ
それは永遠に続くの
だから結婚指輪をEternityRing=永遠の輪=と呼ぶのよ
マリアはリズのおばあちゃんの言葉が甦っていた



Michael:ふぅん、僕もリズのおばあちゃんに逢ってみたかった
マイケルはマリアの髪を撫でながら話を聞いていた
Maria:ママたちみたいに、うるさいこと言わないし大好きだったわ
Michael:君のママだってけっこう話せるよ
Maria:そうかしら?
Michael:もしタイムマシンが出来たら逢いたい人のリストに入れておこう
Maria:逢いたい人って?
Michael:チャールズ・デュプリー、若い頃のハルやベティ
 僕たちが生まれるために関わった人たちだよ
Maria:マイケル..変わったね
 人間なんて敵だったのに
Michael:君が教えてくれたから
Maria:あんたがあたしの車に乗ったときに
 二人は同じ道を走ることになったのよね
Michael:そうじゃない気がする
Maria:そうよね、やっぱりマックスがリズを助けたときね
 あの事件がなければ・・

Michael:いや、もっと前からだったんじゃないかな
 47年に僕らがロズウェルに墜落したときから
 決まっていた、そんな気がする
 さもなければ僕がこの町に来ることも君と巡りあうこともなかった

Maria:そうかもね
 ねぇ、あんたたちが子供の姿で生まれたのは
 ベビーじゃ町まで一人でたどり着けないからよね
Michael:どうかな..それが気になるのか?

Maria:あたしのパパがこの町を出たのも同じ頃だったから
 今はどこにいるのかもわからない・・気にし過ぎよね
Michael:おいで
 事件の始まりは僕がローリーのことを思い出してからだ
 マックスたちの遺伝子提供者の人間がこの地球上のどこかにいる
 どこにいるかわからないけれど彼らがいなければ僕らは存在していない
 まだ知らないことは他にもたくさんある
Maria:みんなでいっしょに見つければいいわ
Michael:そうだな、時間は有効に使わなきゃ損だ
頷くマリアがマイケルを見つめていた
Michael:ん?
Maria:ううん、言葉にするのがもったいないくらい幸せよ
Miachel:well..try again?


PoliceStation

保安官はデスクに置かれたFBIのマークの入った封筒を見ていた
ダフ捜査官から届いた封筒には探していたマックスたちのルーツに
関わる情報が入っているはずだ
自分がそれを知ることが正しいことなのか戸惑いの気持ちから
封も開けらずにいた
今これを彼らに渡すべきなのかは、もっと迷うことだった

思考を中断させるように電話が鳴った
Daff:おはよう保安官
 私からのプレゼントは届いた?
Valenti:えぇ、今朝オフィスに届きました
Daff:必要だと思ったら渡してちょうだい
 彼らにそれを渡すかどうかはあなたに任せるわ
 こちらにおかしな痕跡を残すことは出来ないでしょ
 眼をつぶることよりFBIお得意の抹消した方が早いわ
Valenti:ありがとうございます
Daff:それじゃ、あの子たちによろしくね
Valenti:いえ、すべて忘れてください
 ニューメキシコの片田舎の町のことなど気にすることはない
 もし、あの子たちのためを思うなら、あなたはもっと上を目指してください
Daff:わかったわ
 その時は祝杯を上げてちょうだい

電話を切ると保安官は封筒をデスクに引き出しにしまい鍵をかけた
ブラインドの一部を指で押し下げると、そこには変わらない町の風景が広がって見えた
法の番人として自分が守るべきロズウェルの町はそこにあった

=Fin=


このお話はMichaelに違った形で大人になってほしかったので考えたものでした
同級生同士だと女の子の方が先に大人になるでしょ
本編のMichaelはMariaにとっていい彼とはとてもいえなかった(笑)