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Mutant

AuthorNote★     2006.9.18
"Mutant"を書くきっかけは、前に作ったシリーズFanfic"ApplauseToYou"の続きを
書きたいと思ったからです。
それと別の要因はEOTWの未来に一人残されたLizのことでした
突然現れたF・Maxは深刻な未来の状況を回避するために現在Lizに辛い試練を
与えてしまいました
それは星の運命を背負わされ、記憶にない過去に運命を翻弄されるMaxと因縁めいた
つながりを感じさせるものでした
タイムトラベルの話で、よく問題になるのは過去の歴史への干渉
EOTWでもF・Maxはキメ台詞の「くわしいことは話せない」で片付けていますが
そもそも「変えてはいけない歴史」を変えるためにやってきたわけですよね
スーパーマンもロイスを甦らせたいばかりに地球を逆回転させていました
2015年に何が原因で地球との間に惑星戦争が起きたのか?
Lizを説得するためにIsabelとMichaelの運命を話したけれど、MariaやKyleや保安官
Lizにとって大切な人たちが、どうなったのか話してくれない
F・Max! あなたは自分の命をかけ過去にきたのだけれど・・・
あなたとの人生を失うLizに、どんな未来があるのでしょう
JKは、このエピを見ながら「Maxが二人いる」と感じたことを話していましたが
私は登場しない未来のLizの方が気になりました
現在のLizの人生を無理やり変えることは、Maxだけではなく時間軸上で未来のLizの
存在も消滅させます

IsabelとMichaelを失い最愛のLizと離れ、たとえ過去に戻っても本当に歴史を変えられるかは
断言できない それを見届けることはF・Maxには出来ないのだから
躊躇する彼を過去へ送り出したのは、紛れもなく未来のLizでした
二度とMaxには会えず、たった一人残されるとわかっていても
それもMaxと自分と別れさせることを目的に
彼女をそこまでさせた理由はなんだったのだろう・・・
それが、このシリーズを始めたもうひとつの理由です
さて、前置きはこのくらいにして、この話の結末までのあらすじです


Roswellに戻ったみんなの前に姿を現したのは意外な人物でした
さすがに以前のファッションは止めていましたが相変わらず派手な二人
NYのDupes RathとLonnieでした
彼らにシグナルを送ったのは敵ではなかったのです
Langleyは望みどおり人間としての人生を楽しんでいました
彼はそれが永遠に続かないことは理解していましたが残された寿命は
この星で異星人として生きてきた時間よりはるかに短くなってしまったのです
保護者でありながらDupesたちを放任していた彼は、ある条件と交換に
RathとLonnieに財産のすべてを譲ることにしたのです
Langleyはそのとき彼らを復活させた目的が明らかにします
Maxたちに危険が迫っていることを一刻も早くつたえることがRathとLonnieに
出された条件でした
敵にとって邪魔な存在はMaxたち4人だけではなくRathとLonnieも同じ条件
二人はLangleyの条件を受け入れるしかなかったのです

もちろんTessは生きていました
Lizの思い過ごしではなく彼女はキバーとの密約を達成していました
しかし裏切りの子は誕生できなかったのです
キバーの策略はMaxたちハイブリッドによるクローンに配合した異星人の遺伝子を
再度分離して抽出し、次世代で元の形態に再形成させることでした
理論上それは可能であり、結合した人類より異星人の遺伝子が優位に立つと
判断していたからでした
しかし、地球の大気、環境、惑星とは異なる時空の影響により、ただの保育器代わりと
考えていた人間の体内組織では異星人の遺伝子は免疫反応で消滅してしまいました
キバーたちは別の計画を準備していました
Maxたちを地球に送り出した時代から50年以上が過ぎ、当初のハイブリッドたちの存在目的も
変化をしていたのでした
「異星人の細胞組織と能力を持った人間」の利用価値は特殊な生命体を誕生させることに
置き換わっていました
「完璧な人類の組織を持ちながら彼ら以上の能力を持った新星人=ミュータント」の出現させる
ためにはMaxたちを自由にさせていたほうが都合がよかったのです
不思議なことにハイブリッド同士の細胞では不可能なことが、異人種間では可能でした
無駄な労力を使うより高い能力を持った子供を奪い洗脳したほうが地球侵略をするには簡単でした
当然100年に一度の惑星交差によるエネルギーの影響も予測していました
人類の組織の活性化が起こればミュータントの発現率は数段に高まることを予測しLangleyに
それを利用するように命令をしていました
計画は巧妙に実行されキバーは、その時を待つだけでよかった
子供たちは本物の「保護者」が守り、本能的な能力以外は使われることはない
彼らの思惑どおりMaxたち4人には人間をパートナーとして子供が誕生しました
4人の子供の中に彼らの計略どおりのミュータントがいるのか監視は続けられました
両親のどちらかからでも、能力は受け継がれていたが二つの異なる遺伝子が異星人の
パワーの影響なしに自然な融合の結果生まれた子供は二人でした
そのうち一人は自ら惑星交差のエネルギーを受け他の3人とは違う要素を持っていました
キバーの最大の目的はジョエルを奪うことだったのです

気乗りしないRathとLonnieを加えても多少なりのパワーを持っているのはたったの10人でした
戦うことは無謀としか思えませんでした
皮肉にもLizが必死で変えようとした運命は歴史を早めただけだったのです
MaxはJesseに4人の子供たちをRoswellから連れ出すことを頼みます
一人だけ逃げることをJesseは拒みますが、目前に迫る危機に対し無力なことは
自分自身や子供たちだけでなく戦うMaxたちの集中力の妨げになるだけでした
疎外感を感じるJesseにMaxは言います
「僕たちの子供を君に託すのは誰よりも信頼しているからだ
 たとえ僕たちがどんな運命をたどることになろうとも、あの子たちを守りたい
 普通に生きてほしい・・僕たちのような人生じゃなく」
外の様子を見に行っていたKyleから、町の人間たちが再び姿を消していることを
知らされます
Jesseを残し他のみんなはその場を離れます
頭では理解していてもJesseは納得できない気持ちでいました
それでも今できることはMaxに従うことだけでした
葛藤する気持ちに意識が向けられ注意を怠っていたのかもしれなかった
突然、姿を現したTessによってJesseは深刻な傷を負わされます
泣き出しそうな女の子たちを守ったのはJoelとZackでした
 「あんたがマイケルの息子ね 父親と同じ目で睨まないで」
Joelは視線だけで近づいてきたTessを壁まで跳ね飛ばしました
 パパが死んじゃう・・・ママを呼んでこなくちゃ
 ひとりで行っちゃダメ でも急がなくちゃ・・
 大丈夫、みんなの力を合わせよう
Zackは意識のないTessを呆然とみているJoelの手を引っ張るようにして
Jesseの側に戻った
最初にZackがJesseの傷に手を伸ばした
それに勇気づけられるように小さな手が、ひとつまたひとつと重なりJesseの傷を覆った
「みんなのことを頭だけで考えないで・・パパ大好き」
薄れそうな意識の中で、フリーダの声が聞こえてきた
体が動かせないけれど4人の子供たちが自分の周りに集まっているのを感じていた
 子供たちを抱く笑顔のMax、Michael、Kyle
 Lizの研究室で宇宙船のおもちゃを取り合っている子供たち
 4人並んで食事をしている風景
 スプーンが浮いて、嫌いなベビーフードを飛ばしていた
 そして涙いっぱいの瞳のFredaが幼いIsabelの姿に変わっていった
子供たちの力で灯された命の炎は輝きを取り戻しました
Maxたちの不安な立場、悲しみや苦しみ、恐怖そして幸福感
子供たちみんなが望んでいること
Jesseはようやく心からすべてを受け入れることができた
その想いを戻ってきた仲間たちに伝えた
 子供たちは、どこへも行きたくないと思っている
 大好きなパパとママと友達といっしょにいたいんだ
 それは君たちと同じ望みだろう

さて彼らは子供たちを守れるでしょうか?
そしてジョエルや子供たちの秘められた能力とは?
ここから先は皆様のご想像にお任せします
ただ敵が地球に来られるとすればMichaelには惑星フッドに残されている信奉者がいたはずですね
ということで・・・お終いです