04.NoOrdinaryLove

MV Summary

 これは08/7月にリメイクした古いMVのエピソードサマリーです
 BGMは3分程度の曲を使っていたので6分以上のMVは最長の長さでした
 つい欲張りになるから限られた時間内に映像Clipをつなぐのは至難の業と
 思っていたのに時間が長ければ長いなりに難しいと知りました 

 VideoSummary-NoOrdinaryLove

Liz talking
2年前の9月 あの事件でニューメキシコの小さな町の
ごく普通の高校生だった私の世界は
途方もなく広がっり、私は運命の人と出逢った
あなたの微笑みは私を毎日幸せにしてくれた
マックス、あなたに救われたせいじゃないの
あなたが遠いの星からやって来た人だと知っても
気持ちは変わらなかった
むしろ自分の気持ちが強くなるのを感じたわ
「僕は君たちとは違う」あなたは、そう言ったけれど、あなたが他の人と違っていたのは
私にとって運命の人だということだけで遺伝子の問題ではなかった
カフェの客の銃弾は私の脇腹だけでなく運命の鍵を開けたわ

Maria talking
リズは最初は何が起こっているのか隠そうとしたのよ
言っておくけれどアレックスならともかく、一部始終を
目にしていた親友のあたしに何も言わないなんて
どうかしてるわよ、そう思っていたけれど・・・

聞かされたことを考えると秘密にされていたほうが
良かったのかもしれない
あの時は、あたしまでとんでもない恋に出逢うことになるとは
ぜんぜん思っていなかったもの
とにかく、あたし達は他の人間には絶対にいえない秘密を
共有することになった

Liz talking
彼らは私たちを遠ざけておこうとした
でも、私を助けたことで静かに暮らしてきた彼らには困難なことが
次々と起きた
もう彼らだけの問題ではなくなってしまった
秘密が増えるたびに私たちの絆は深まっていったわ
そして彼らも知らなかった真実が明らかになった
なぜ彼らが地球で生まれたのか
マックスには彼らの星の未来が託されていた
そして私は・・彼に救われたことで私は人類の未来を
左右する存在になっていた
私は初めて彼に秘密を持つことになった
未来のマックスは人類のためと言っていたけれど
そんなことはどうでもよかった
マックスのために私がそうしたことを本当にわかってくれたのだろうか
それでも私たちの絆を断つことはできなかった
すべてが運命だったとしか言いようがない
私はこのまま彼らと共にいられるのだろうか
25年後に私はもう一度あの未来のマックスに会えるのだろうか・・

幸せな時間が増えていくのと同時に敵の異星人やFBIのエイリアン
ハンターの出現は否応なしに現実を突きつけてきた
留まることのない危険な日々・・・
平凡で普通の生活には二度々戻れないのだ
そして、私も、いつかこの町を去る日が来るのかもしれない
私たちは確かな友情を育みながら不安な気持ちを心の奥底に
しまいこんでいった
その不安が・・恐れていたことが、ついに起きてしまった

Alex talking
僕はずいぶん長い間、秘密を教えてもらえなかった
子供の頃から親友だと信じてきた子たちに隠し事を
されるのは、けっして気持ちの良いものではなかった
もっとも、最初から知らされていたとしても
信じたかどうかは別の話
誰もがUFOや異星人の存在を信じているわけじゃないよね
もちろん僕も含めてだよ
だけど次々起こることを体験すれば君たちだって信じるよ
彼らが別の星から来た存在なんだってことをね
元々信じていなかったのが幸いしたのか、彼らの正体がわかっても
意外と平気だった
あぁそうだね、イザベルがいたからかもしれない
リズやマリアと同じように僕にとって運命の人がその中にいた
でも僕はいつまでたっても出遅れたままだった
敵の異星人が現れたときも僕は彼らを残し異次元へ、早く言えば
消えちゃっていて何もできなかった
僕も彼らのために何かしたかった・・僕にしかできないことを
それで思いついたんだ 彼らの秘密の鍵を握る運命の本を解読すること
彼らの星がいくら進化していたとしても諦めたくはなかった
敵はアレックス・ウィットマンの闘争本能に火をつけたんだ・・なんてね

ちょっと不正なアクセスもしたけれど、そこは慎重にやったから大丈夫
見つかることはない
言語の法則さえ見つかれば
意外に簡単なことだと思った
必要な知識はネットで見つけられる
そうさ、人類は日々進歩している

だけど残念ながらマックスたちの存在を人間と
同じ生命体だと考えられる大人は、まだいない
僕たちが唯一信じられた大人といえば保安官くらいだけだった
僕がしていたことを保安官にだけは言っておくべきだったと
少し後悔している

ともかく頑張った僕はチャットで知り合ったラスクルーセス大の学生の
好意で大学のスーパーコンピューターを使えることになった
もうすぐ答えが見つかる
今回は僕が彼らに秘密を持っちゃうことになったけれど、たまに驚かせるのも悪くない
これで僕の力をちょっとは認めてくれるだろう そう思っていた
まさか、帰り道にあんなことが起きるとは・・・
そして、また僕だけが姿を消すことになった 今度は永遠に・・

Maria talking
アレックスが亡くなった
交通事故だなんて・・あたしもリズにも信じられなかった
受け入れられない悲しみがみんなを包み何も考えられなかった
マックスもマイケルも傷ついたあたしたち二人を支えてくれた
でもアレックスへの気持ちは彼らに対するものとは違うものだった

あたしたちに内緒でアレックスが何かを探しネット上で
アクセスを繰り返していたことがわかると
それが、ただの交通事故と思うことは不可能だった
リズとあたしは必死で手がかりを探した
そして、見つけた
アレックスは軍に狙われたことを、彼の命を奪ったのは・・人間だった
恐れていたように原因はマックスたちの存在、辛い現実があたしたちと彼らの間に溝を作ることになった
アレックスは重要なことを隠し守りとおしてくれた
ありがとうアレックス、こんな馬鹿げたパスワード 誰も見つけられないわ
    "I the stud" 僕ってイケてる

Liz talking
それは前ぶれもなく始まった
アレックスの死の原因がわかったあと、私は一人で
事故の現場へ行った
突然、私の脳裏に恐ろしい幻影が炎といっしょに
浮かんだ
マックスが捕まってしまう..そしてマイケルも
軍はアレックスだけではなく私の大切な人たちを次々に
連れ去ろうとしていた
それはごく近い将来、間違いなく現実に起こると感じられた
私にも彼らのような能力が・・なぜ?
マックスに救われたことで私自身の体が変化し始めた、そう思うしかない
自分の身体がこれからどうなってしまうのか不安がまた増えた
マックスたちを救う道はアレックスが見つけてくれていた
私は決断しなければならなかった
自分の命より大切な人との別離
それはマリアにも苦しい選択を強いることになる

二人の出逢いは私のことがきっかけだったかもしれない
マリアとマイケルはまるで磁石のように
反発しあい引きつけられ
今はお互いが掛替えのない存在になっていた
そんな二人の仲も引き裂く事になる
・・どんなことをしても彼らを守りたかったから
たとえこの先 自分の身に何が起きようとも
答えは一つしかなかった

Michael talking
アレックスの事故のことは僕たちもどこか納得できなかった
リズやマリアは真相を確かめようと必死になっていた
立ち入ることの出来ない領域・・
最初に僕らが作っていた壁を今は彼女たちの中に感じていた
僕は一人で事故現場を見に行った
ハンドル操作を誤り・・うまく言えないけれど、どこか不自然に思えた
慎重なアレックスを知っている者ならそれを否定できないはずだ
それに軍が事故現場を見張り続けていることはもっと不自然だ
なにか秘密がある
マックスに話してみたが、あいつの心は
アレックスの命を救えなかったことを自分の
責任のように感じ冷静な判断は無理な状態だった
もしかすると、それは以前あいつの身に起きたことを彷彿させているのかもしれなかった

マックスはFBIに捕まったときのことを僕たちにも話そうとはしなかった
あるいは別の何かを隠しているのか・・・
ただ秘密を心の奥にしまい込んでいるように沈黙を続けていた
"僕たちは神ではないんだ"
わかっているさ だが黙っていたからといって嵐が通りすぎてくれると
思うか? お前が一番信じなければいけないのは
リズじゃないのか・・

Max talking

アレックスは僕たちのために犠牲になった
どうしてもそう思えてしかたない・・
僕たちがなにがすれば危険はリズやマリアに
及ぶかもしれない

いや..マイケルから軍が絡んでいるらしいことを聞かされたとき
僕の脳裏に浮かんだのはあの実験室だった
他のみんなにあんな体験はさせられない・・どうすればいいんだ

Liz talking
アレックスは彼らが星に帰る方法を見つけてくれていた
今出来ることは彼らがこの星を去ること
彼らの命を守るにはそれしかない
私にはわかっていた
どんな障害があってもマックスは私を残し、この星を去ることはできない
それはマイケルも同じことだ
1年前に未来のマックスが私にさせようとしたことを私自身の決断で私がしなければいけないのだ

Maria:これしか方法がないのよね
Liz:マリア、辛い気持ちは私も同じよ
 こうするしか彼らはこの星を離れないわ






Maria:わかってるわ
 リズ、未来がわかるなら教えて
 生きていてさえくれたら私たちと逢うために
 いつか戻ってきてくれるかな..
Liz:それは、私にもわからない..

チャンスは一度だけ、アレックスが書いていた
迷っている時間はなかった 私はマックスにさよならを告げた
どれほど彼を傷つけたかは今も止まらない私の涙が知っていた
Liz:アレックスはこれのために殺されたのよ
リズは解読されたレポートをマックスに渡した
Max:..やはりアレックスは僕たちのせいで
Liz:そうね・・マックス必要なことはそこに書いてあるわ
 あなたたちは本当の故郷へ帰るべきなのよ
 哀しいことだけれど現実的に地球はあなたたちの存在を
 受け入れようとしていないわ
 この星にいればあなたたちが危ないだけでなく犠牲になる人が
 私の周りで増えるだけ
 そんなことには、もう耐えられない
 私たちは..あなたたちとは違うの
 あなたが言っていたとおりだったわ・・
Max:リズ・・もし君に
Liz:どうして
 わかってくれないの
 もうイヤなの・・
 あなたのために犠牲に
 なるのはアレックスだけで十分でしょ
 手遅れだったとしてもかまわない 私は普通の生活に戻りたいの
 それともあなたは捕まるまでいっしょにいてモルモットになれというの
 だって私は死にかけたところをエイリアンに救われた人間ですものね
マックスの瞳が哀しく光った
リズは彼以上に自分の言葉で傷ついていた
一度も思ったことのないことを話している自分が別の自分に思えた
それでも涙を見せることはできない 彼を絶対に留まらせないために
張り詰めたリズの心を察したようにマックスがそっと背を向けるとバルコニーの階段を下りていった
彼がその階段を上ることはもう二度とないかもしれなかった

Maria talking
あたしは、どこかでリズが別れをいえないことを望んでいた
あの二人はうらやましいほど完璧なソウルメイトだったもの
こんなやり方じゃなくマックスがきっと別の方法を考えてくれるはず・・そう思いたかった
でもリズは、やり遂げた
マックスを救うためだったら彼女はどんなことでもした
後戻りは出来ない 今度はあたしの番だ

Michael:久しぶりだな..大丈夫か?
Maria:まだよく眠れない
Michael:君のママが許してくれたら、またソファを借りに行くよ
そんな優しいこと言わないでよ・・・あたしはこれからめちゃくちゃ
酷いことを言おうとしてるんだから
マリアは手を握り締め下を向いた
Michael:どうした?
Maria:マックスからまだ何も聞いていないのね
 アレックスはあんたが探しつづけていた故郷への帰り道を
 みつけてくれたわよ
Michael:アレックスが! まさか・・あの事故はそのためだったのか
Maria:情報を探しているうちに軍の機密事項に
 アクセスしちゃったみたい
 大丈夫よ、何をしていたかまでは見つかっていなかったわ
Micahel:それをリズと探っていたのか?
 おい! 僕たちに黙ってどうしてそんな無茶をした
 アレックスがどうなったと思っているんだ!
Maria:怒鳴らないでよ
 アレックスのことはあんた達には立ち入ってほしくなかった
Michael:お前本気で言っているのか?
Maria:ええ、本気よ
 マックスの力で救えない
 命もあるのよね
 リズもあたしもやっとわかっただけよ
 この先あんた達に関わっていると同じ運命しか待っていない
 バカみたいよね、あんたが散々警告してくれていたのに
Michael:マリア・・
Maria:マイケル、あんた達は、ここにいちゃいけない
 帰り方がわかったんだから自分の居場所へ帰りなさい
 もっと安全に生きられるところへ
 もしマックスが迷っているならあんたが説得して
Michael:何を隠している
 いつだって君は真っ直ぐだった 僕をちゃんと見ろ
マリアはマイケルを真っ直ぐ見つめた
Maria:かいかぶりよ あたしはまだ生きていたいだけ
 あんただってそうでしょ、急いで・・
立ち上がるとマリアは、その場を離れた
マイケルが何か言いかけたような気がした
それでもマリアは振り返らなかった
 冷たくなったあんたにkissなんてしたくないんだから・・
マリアは空に輝く星を睨むように見つめ歩き続けた

マイケルがアパートに戻るとカイルが待っていた


Kyle:マイケル・・
 軍の奴らが親父を
 訪ねてきた

Michael:お前も俺たちに、さっさと消えろと言いに来たのか・・
マイケルは自嘲するようにカイルに言った

Kyle:お前って救いようのない馬鹿だな
 おっと、忘れるところだった
 超能力だかなんだか知らないけれど
 死にそうになった人間を二人も助けた神様のお仲間だったものな
Michael:マックスは、一度だってそんなこと思って助けたことはない!
Kyle:わかってるさ 聞いたんだろうアレックスのこと
Michael:・・・お前も早いとこ疫病神はいなくなってほしいよな
マイケルの声は力なかった

Kyle:なぜ突然マリアやリズがこんなことをしたかお前だって本当は
 気づいているんだろう
 どう言ったのか知らないけれど、こいつはそんなに
 単純なことじゃないんだ
 たぶん二人ともお前たちには話していないと思うから言っておく
 マックスは確かに俺やリズを助けた
 でもそのせいで人間の体質まで変化させると
 予想していなかっただろう
Michael:体質の変化?
Kyle:どうやらお前たちの能力に近いものが出てくるらしい
 だけど元々の身体の組織が違っているから苦痛も伴う
 俺はリズより後に助けられたから、まだなんの症状もないけれどな
Michael:ナセドが言っていた
 僕たちの力は元々人間が持っている能力を最大限にした
 ようなものだって
Kyle:その能力のせいでリズはお前たちが捕まって殺される未来を
 見てしまったんだ
 いいか俺たちは、ただ帰れと言っているんじゃない
 お前たちに生きていてほしい また会うためだ
マイケルは何も言わずカイルの言葉を聞いていた

Kyle:憶えているか?
 アレックスと俺が洞窟に閉じ込められたことがあっただろ
Michael:あぁ、あれも俺たちがいなかったら起きていなかった
Kyle:そうじゃない
 これで終わりかなと思ったとき
 アレックスが言ったんだ
 "エイリアンに遭遇してそのために
 死ぬなんてめったに出来ない経験さ
 こんな経験できるなんて僕たちは
 もの凄くついてる 地球にいる60億の人間の中で僕たちだけが
 こんな経験してるんだから
 この経験を全部なしにして普通の人間に戻りたいと思うかい?"


Kyle:こんなヘビーな運命共同体、ちょっとやそっとで
 抜けてたまるかって俺もあの時そう思ったんだよなぁ
 もちろん、こんな結果は想像したくなかったけれど..
 アレックスは、どんな結果であれ納得していた
Michael:お前っていい奴だったんだな
Kyle:お世辞はいい おせっかいだとも思っていない
 マックスはまだ迷っているはずだ
 この状況じゃ俺たちを置き去りにして逃げ出すようなものだ
 あいつは事情がどうあれ正義感の固まりみたいな奴だからな
 たまに思うんだ
 親父の後継ぎはマックスの方が向いているんじゃないかって
 だからお前に言いに来たんだ
 あいつを納得させるのはお前の役目だろ
 いいか、俺はこれが最後なんて思っていない 必ず戻って来いよ
 それまでなんとか乗り切ってやるよ
暗闇をヘリコプターが先回する音が響いてきた
Michael:いよいよ時間がなくなってきたか・・
 カイルありがとう
マイケルはそう言うと外へ飛び出していった
Kyle:縁起でもないや、あいつ礼なんかいいやがった・・畜生・・
 そんな暇があったら絶対逃げ延びろ・・

窓から部屋を覗くとマックスはベッドに横たわり天井を見詰めていた
ノックすると起き上がったマックスが近づいてきた
Max:どうした?いつものお前なら何も言わずに入ってきていた
Michael:いや..ここへ来るのも久しぶりだから
Max:いつからかお前のアパートが集合場所になっていたからな
 その寝袋もずいぶん使っていなかった
 マイケル、お前って話を切り出すのがヘタだな
Michael:しょうがないだろ
 つい最近まで人間と関わるなんて大嫌いだったんだから・・・
マックスがニヤリとした
この数日考え込んでいたのにマイケルは意外な感じがしていた
床に座ると二人は話し始めた
Michael:聞いたよ アレックスのこと
 それで本には何が書いてあった
Max:僕たちの過去の歴史、星との連絡方法、そして帰る方法
 僕たちはなんのためにここにいたんだろう
 誰も苦しめたくも傷つけたくもなかった
Michael:僕たちを作った異星人は、この星にも僕たちを信じ
 受け入れる人間が現れることを想像もしていなかったんだろう
 だけどそういう人間がいた ハル、リバードッグ
 最初はアサートンだってそうだった
Max:そしてリズたち・・
 リズが信じられないような行動をするとき、そこに必ず僕たちの
 存在が関係していた
 そこまでして僕たちを星へ帰らそうする理由は僕たちの命に
 かかわる事しかない
Michael:そのとおりらしい
マックスには真実が見えていた
それはリズが必死に隠した本心から伝わったことなのかもしれなかった
マイケルはカイルが告げて来た事実をマックスに話した

Max:FBIに捕まったとき・・
 僕も同じものを見せられた
 彼らは..FBIや軍は僕らを実験動物のように
 しか思っていない
 人間と同じように心を持っていることを
 知りながら平然と傷つけてくる
 それに立ち向かえばナセドのように一部の人間を敵として
 抹殺しなくてはならない
マックスの頬を涙が伝った


Michael:僕は、もう そいつをやってしまった・・
 マックス、このまま留まれば戦いの末に
 リズの言っていた未来がやってくるだけだ
 運命は自分で決めるものだ
 お前の口癖だったよな
マイケルの頬にも涙が光っていた
Max:いっしょに行ってくれるか?
Michael:当然だろ、ヒーローがいつもお前だけなんて不満だ
Max:お前の負けず嫌い、忘れていたよ
Michael:うるさい、文句あるか?
Max:お前らしくてその方がいい
Michael:だけどイザベルたちはどうする?
Max:僕たちは星に戻っても異分子のはずだ
 それにイザベルは・・裏切り者として見られるかもしれない
Michael:黙って置いていくのか きっと怒りまくるぞ
Max:心配するな いきなり姿を消すと変に疑いがかかるだけだ
 対策はとってある
Michael:お前、いつのまにそんなこと・・・
 さすがリーダーだな
Max:僕は王でもリーダーでもない
 ただの友達 戻ってくるときはそうなってこよう
マイケルがニヤリとした
アレックスの事件が起きてから重くのしかかっていた暗雲がいきなり
 晴れていくような気がした
二人は窓から出ると繭の洞窟を目指した



Maria:もう行っちゃったのかな
 何か見える?
Liz:何も見えてこないわ
二人はマリアのベッドに横たわり恋人たちの旅立ちを考えていた
Maria:楽しかったことしか思い出せない
Liz:私もよ
 それと同じくらい彼を傷つけたことを思い出してしまう

Maria:あんなこと言って・・
 あたしたち、絶対
 嫌われちゃったよね
 あんまり悲しすぎると
 涙って出ないんだ
 初めて知ったわ
予測はしていたけれど安堵感と共に心の中がカラッポになった
窓を叩く音が聞こえ、外にはカイルが立っていた
Liz:どうしたの?
Maria:もう悲しいことは聞きたくない
Kyle:違う!違う! あれを見てくれ
カイルが指差す方向の空にアンタールの紋章の光がさしていた
それは繭の洞窟とは全く逆の方向だった
Kyle:軍の目をあっちに向けるための囮だろうな
 二人ともこんなところにいていいのか?
 マックスもマイケルも君たちの本当の気持ちはとっくに気づいていた
 あいつらは、きっと戻ってくるはずだけど、しばらくは逢えないんだぞ
 それでいいのか
Maria:リズ、見送りにいこう
 もう顔をみることが出来なくたっていい
 ここで、いろんなこと考えているより少しでもいいから近くにいたい
Liz:えぇ、私も彼が幻じゃなかったと感じたい 急ぎましょ

3人は町を抜けると猛スピードで車を走らせた
もしあの光が出発の合図なら間に合わないかもしれない..
いいえ、私はマックスの存在をまだ感じている


Michael:まずいぞ、検問だ
Max:僕たちのことが知られた訳じゃない
 普通に通りすぎよう
軍用犬が何かを嗅ぎ取り吠え始めた

Michaelマックス! 早く車を出せ
 こんなところで時間をくっていられない
マイケルのパワーが軍の車を襲撃し爆発を起こした
Michael:無鉄砲に何かやらかすのは僕の特許だろ 急げ!!
銃弾が追いかけてくる中を二人の乗った車は駆け抜けていった
洞窟のある砂漠にたどり着くとはるか彼方にアンタールの紋章の
 光が見えた 残されている時間はわずかになってきた

グラニリスは点滅をはじめていた
Michael:こんなところから早く出て行きたいと思っていた
Max:お前はずっと本当の故郷を探していた
Michael:星を探してきたことは間違っていなかったけれど
 そこにしか幸せがないと思い込んでいたのは間違いだった
 今はそう思っている
Max:出来るだけ早く戻ってこよう、忙しくなるぞ
Michael:知らなかったのか?
 せかされるのはマリアに慣らされているんだ
最後の点滅が消え二人の身体がグラニリスの蒼い光の中に
 吸い込まれていった
Michael:顔を知られちゃったかもしれないよな
 ナセドみたいに変身するパワーを憶えてこなくちゃいけないのか
Max:僕はいやだよ、リズの理想を壊すなんて出来ない

眼下に地球が見えていた
蒼く輝くその星が本当の故郷だった




LizTalking
私たちはマックスとマイケルを見送った
彼らが旅立ってからまもなくひと月が
過ぎようとしている
私はまた日記を書き始めた

マックスは何もかも承知していた
突然、姿を消し軍に疑いを持たれたり私たちに影響が出ないように
保安官に頼んであった

「マイケルの両親の手がかりが見つかった」
途方もない理由のようだが、1年前UFOセンターで、もう一つの繭の
マイケル:ラスを双子の兄弟とマイケルが紹介したことをブロディが
記憶していた
大人たちも保安官の言葉なら信じた
マックスは両親に定期的に手紙が届くように配慮までしてあった

イザベルには事情を説明する手紙を残していたという
でも置いていかれたことにイザベルは納得できず怒りの鉾先は
なぜかカイルに向けられた
カイルが教えてくれたけれど、マックスはそれを予想して旅立つ前に
電話してきていたそうだ
砂漠に残されていたマックスの車はカイルが回収しバイト先で塗装
修理をしていたことになっていた
本当はイザベルがしたことだけれど、これで軍に目撃された車の存在も消された
いったいマックスは、いつそんな準備をしていたのだろう

MariaTalking
私の知らないうちにマイケルはおかしなものを
置いていっていたの
これよ ママの作っているエイリアン人形と
似てるでしょ
違っているのはこいつの髪の毛が立ってることと
今にも文句をいいそうな口元
まるで出逢った頃のマイケルにそっくりよね
自分の身代わりにしてろでも言うつもりなのかしら
バカみたいでしょ ほんと、なんてセンスしているのかしら
マイケル、早く帰ってこないとあたしの八つ当たりであんたの
髪の毛なくなるわよ
"どこにいても君だけを愛している"
マリアの手に包まれたマイケル似のエイリアンには
そう刻まれてあった

LizTalking
私にも彼からの手紙が届いた
内容? ダメよ、今は私だけの秘密にしておくわ
ただマックスは変わらずに私の運命の人だということだけ言っておくわね
私の身体の変化はマックスと離れているせいなのか落ち着いている
でも、まもなく逢える・・そんな気がする
リズは日記を閉じると星空を眺めた

=Fin=