#4 Secret&Crisis

High Speed Turn


Valenti:ダフ捜査官が協力をしてくれるそうだ
 だが行方不明、あるいは誘拐された疑いのある人物と
 言うだけでは手ががりが少なすぎる
 ローリーと一致することがあるとすれば
 1947年前後に行方不明になった家族を持っていること
 そうなるとすぐに結果は出せない
Max:とにかくフレージャーの森へ行きましょう
 2人が心配です
Valenti:そうだな

2人はマイケルたちの無事を信じて車を走らせていた

Max:イサベルが気になることを言っていました
Valenti:今回も何か夢を見たのか・・
Max:いえ、夢は見ていません
 ですから、犠牲者はまだいないと思うんです
 ただ突然現れたあの男のことを、どこかであったことのあると感じるそうです
Valenti:彼は君たちの仲間だと?
Max:まだ、わからないそうです
 イザベルは1年前グラントを救えなかったことを忘れられないんです
 たぶん・・気にしているのは、それだけじゃないと思います
 前世で僕たちを裏切ったということが忘れられないんです
 今の僕たちが全くおぼえていない過去の記憶の中にあることなのに
 また同じことを繰り返えすのではという不安から逃れられないようです
 トレバー、彼のことを探ってみるといっていました
Valenti:1人で大丈夫なのか?
Max:少しでも情報がほしいというのは僕もイザベルも同じです
 テスにも力を貸してもらうと言っていました
 それにリズもアレックスもカイルもついていてくれます
 1人で無謀なことをすれば恐れている過去を繰り返すことになる
 それを誰よりもわかっているのはイザベルです


□CrashDown□

Alex:リズ!マイケルとマリアは?!
Kyle:おい!こんどは誰が襲ってきたんだよ!
Tess:イザベルはどこ?正体不明の男って何者なの?
3人の仲間が疑問と不安を一斉に口にしながら裏口から入ってきた

Liz:みんな落ち着いて、いろんなことが一斉に起きているから
 とにかく事情を少し整理してみるわ
 最初はフレージャーの森の近くで銃声がしたというの通報があったの
リズは、それまでの経緯を順に説明していった
Liz:マイケルがあのロッジを見つけたときから
 何かが起こり始めていたような気がするわ
Alex:僕もそう思う それで僕たちはこれからどうする?
Liz:今はマックスからの連絡を待つこと・・
Tess:イザベルは?
Liz:あの人から何か手がかりを掴もうとしているの
 テス、イザベルが彼の内面に接触する間、あなたのパワーで
 幻覚を見せていてほしいの
 目の前の覚醒している人間に接触するためにはそうするしかないって
Kyle:大丈夫なのか?もし奴が怪物の手下になっていたら
Liz:イザベルを止めることが出来た?
みんなが首を振った
Liz:テスが来たら私がコーヒーのおかわりを聞きに行くことにしたの
 それを合図にするとイザベルが言っていたわ
Tess:だけど、彼がスキンズのような敵だとしたら
 そんなに長くは無理よ
Liz:それはイザベルも言っていたの
 だからタイムリミットを5分にしたわ
 無理だとわかったら結果が得られなくても止める
Alex:僕とカイルは何をすればいい?
Liz:あの人が覚醒して怪しまれないためにタイミングを計ってカフェに入って来て
 ドアベルの音で空白の時間を忘れさせること出来ると思うわ
Kyle:すべては俺たちのチームワークに掛かっているってことか
 ok!シュートを決めてやるぞ
Tess:バカね、へんな張り切り方しないでよ
カイルの掛け声が、みんなの緊張感を少しだけ緩めてくれた


Liz:忘れないで危険だと思ったらすぐに中止よ
 さぁ私たちに出来ることをしましょ


リズがカフェに入っていった
テスは窓から状況を見守った

Isabel:それじゃ、テントで寝泊りして調査されるのね
 あそこコヨーテが出るわよ
Trevor:ははは森での調査だよ、それには慣れている
Liz:コーヒーのおかわりはいかが?

Tess:カイル!5分後よ
テスが幻覚を見せはじめた
リズを見たイザベルが頷くとトレバーに触れ彼の内面に接触を始める
そこに見えてきた風景は、まるで過去と現在が入り混じっているように見えた


Isabel:これは、何?あなたは誰なの?
 なぜマイケルがいるの?
Trevor:おぼえていないと思う・・
 君に直接会ったのは過去を含めてこれが初めてのことだから
Isabel:あなたは過去の私を知っているの?
Trevor:信じてほしい、僕は敵じゃない
Isabel:無理よ!突然現れて味方なんていわれても・・
Trevor:急がなければ・・時間がないんだ
 キバーはガンダリウムを武器として使おうとしている

5度目のドアベルがイザベルを現実の世界へ引き戻した
Alex:やぁ、イザベル
 歴史のレポートは図書館でする?
Isabel:そうね、もう私が調べたこともあるからそうしましょ
 お話できて楽しかったわ、トレバーさん
Trevor:僕もだ
 次に逢うときはジョンと呼んでくれ
Isabel:わかったわ
イザベルは彼女を見るトレバーの瞳を懐かしいと再び感じていた


Ψ Frazier Woods LodgeΨ

Maria:マイケル、もしあんたの仲間がここにいたとしたら
 どこかに何かサインを残してくれているはずよ
Michael:ゴミ箱はなかったぞ
Maria:何?
Michael:優秀な探偵はゴミ箱を探せだろう
Maria:つまんないこと、よくおぼえているわよね
 あんたって頭がいいのか鈍いのか時々わかんなくなるわ
Michael:皮肉か・・
Maria:ううん、ちょっと嬉しい
 パワーは、まだ戻っていないんでしょ?
 携帯の充電は人間の文明に任せて
 あたしたちは手がかりを探すわよ
2人は室内を探しはじめた
Michael:意外と地下室への入り口があったりして・・あった!
Maria:なんでよ?!
マイケルに先を越されて不満そうなマリアがマイケルの見つけた場所へ近づいた
床の貯蔵庫の蓋が開いていた

Maria:はぁ、これが地下室なの?
Michael:ほら見てみろ
マリアが覗き込むと内枠が少し傾いていた
マイケルが木枠を引っ張ると、その下には洞窟が広がっていた

洞窟の底でアンタールの文字が輝きだした
それが何の合図なのかの答えはわからない
少なくとも、ここにいたのが同じ仲間だということだけは間違いなかった


Michael:謎は地下に在りだ
Maria:拍手してほしい?
Michael:それより何か食わないか?
 洞窟は逃げしない

Maria:そうよね
 安心したら、お腹すいてきたわ
 朝食のメニューは何かしら、シェフ?
Michael:いくらなんでも料理している暇はないよ
Maria:本気にしないでよ
 あたしのバックパックにシリアルバーが入っているわ
Michael:まるで自販機みたいだな、そのバックパック
 お湯を沸かすくらいのパワーはあるから
 コーヒーを入れるよ、インスタントだけど
Maria:早く連絡したいから携帯の充電も試してみてくれる?


マックスと保安官の車は2人のいるロッジへまもなく到着するところまで来ていた



□CrashDown□

Tess:ごめんなさい、待たせちゃったかしら?
Kyle:遅い!と言いたいとこだけど・・俺たちも今来たところさ
Isabel:リズ、もう出られる?
Liz:ええ、先に出かけてちょうだい
 着替えたら追いかけるわ
 マックスにも連絡をしてくれるかしら?
Isabel:あなたが来てからでも大丈夫よ
仲間たちは真意を隠し注意深く言葉を選びながら、お互いの意思を伝え合っていた
しかし、そのやり取りを見ていたトレバーが微かに笑みを浮かべたことに誰一人
気づいていなかった

リズがロッカールームへ急ぐと携帯が鳴った
Maria:あっ、リズ!連絡しないでごめんなさい
Liz:マリア!よかった・・無事だったのね!心配したわ
 マイケルも無事なの?
Maria:えっ!?なんで知ってるの?
Liz:銃撃のこと保安官から聞いたの
Maria:また、例のごとく、ややこしいことになってるわ
 でも大丈夫よ あぁ、もう・・説明したいんだけどバッテリーがないの
Liz:そこに、マックスと保安官が向かっているわ
 ここにもちょっと問題が起きていて・・伝えておいたほうが
 よさそうなのだけれど・・それじゃマックスに連絡しておくわ
 いい、二人が行くまでそこを動かないでね
Maria:そっちでも事件が・・・・・
電話は唐突に切れた
なんでもないわ・・バッテリーがなくなっただけよ、リズは自分に言い聞かせた

Alex:何かわかったかい?
アレックスが歩きながらイザベルに聞いた
Isabel:ええ・・
イザベルは答えながらテスを見た
テスもイザベルを見ていた
Kyle:おい、なんだか2人とも変だぞ
Tess:だって、おかしいのよ
Isabel:あなたもそうなの
Kyle:やっぱり、あいつ怪物の手下だったのか?
Tess:違うわ、あの人に幻覚を見せたことは見せたのよ
 でも私がそうするのを、あの人は最初からわかっていたみたいなのよ
Alex:どういう意味?
Tess:うまく言えないけれど幻覚を見せるのが簡単すぎるのよ
 それにイザベルと話を続けているように見せていたはずのに、いつの間にか
 いっしょに話を聞いている自分まで見えたわ
 まるで私の方が幻覚を見せられていたみたいよ
Kyle:同じ力があるみたいだな・・っことは奴もエイリアンなのか?!
 それで敵か味方か?
Tess:カイル、声が大きいわ

Liz:マリアから連絡があったわ!
後ろからリズの声がした
Alex:2人は大丈夫かい
Liz:やはり何か起きたみたいだけれど、2人とも大丈夫だって言っていたわ
 何かわかったことは?
Isabel:1947年の墜落の映像みたいなものや、輝く2人のエイリアン
 ・・それから、保育器から出た私とマックス
 そんな映像が次から次に浮かんだわ
 その次に彼が話し掛けてきたの、自分は敵じゃないって・・

イザベルは映像の中に現在のマイケルの姿が混ざっていたことを話せなかった


Maria:あっ切れちゃった・・・
 予想通りロズウェルの町でも事件が起こっているみたいだわ
 事情を聞く分のバッテリーがなかったから、くわしくはわかんないけど
 マックスと保安官がここへ来るって
Michael:そうか・・どっちにしても、あのサインの意味も調べることになるんだし
 二人を待つか
Maria:何してるの?
Michael:お前のジャケット、元通りにするのはむずかしいよな
 お気に入りをボロボロにしそうだ
 町に戻ったらイザベルに頼んだほうが安全だ
マイケルは薄っすらとシミの残るジャケットをマリアに見せた
マイケルの側にくるとマリアはつま先で立ってお礼のkissをした

Maria:ここへ来てから、なんか優しいね
Michael:命の恩人だからな
 約束したことは、まだ一つも出来てないけど・・
Maria:ごめんね あんたが無事でいてくれるだけでいいの
 それだけで十分・・でも、あたしったらすぐ忘れちゃう
Michael:僕が普通じゃないこと忘れるのって、普通はできないと思うのにな
Maria:そうかなぁ・・それにいいこともあったわ
 気がついてる?あんたのパワーでまだ何も壊してないわよ
Michael:それを、いいことっていうのも普通じゃないぞ



Max:車を止めてください ここからは歩いてしか行けません
Valenti:わかった

二人は森の中をロッジへ急いだ
Valenti:マックス、これを見ろ
そこには何かを引きずったような跡がついていた
その跡を辿ると防水シートで覆われたマイケルのバイクが止められていた
Max:二人はここに来ています
Valenti:この奇妙な跡が気になるが、ひとまず安心だな
Max:もうすぐです

ロッジへの道を急いで進みだすとマックスの携帯が鳴った

Liz:マックス、もうついた?
Max:ロッジまであと少しのところだよ
Liz:二人は大丈夫よ、マリアから電話があったわ

Max:よかった・・
 君たちも大丈夫?
Liz:えぇ、大丈夫何も起きていないわ
 それよりイザベルが見つけたことがあるの
Max:あの男のことで?
Liz:心配しないで、危ないことはしない約束でしょ
 限られた時間だったので、くわしくはまだわからないの
 でも、イザベルもテスも彼が敵とは感じられなかったと言っているわ
 ううん、むしろ逆なの
Max:イザベルの直感どおり僕たちの仲間なのか
Isabel:リズ、電話を貸して
 兄さん、そこはポールマン牧場跡の近くなんでしょ
Max:あぁ500mも離れていないと思う
Isabel:あの人は墜落する宇宙船を見ているの
Max:見ている?

Isabel:そう、宇宙船には乗っていない・・
 墜落後に軍の人間が活動している姿を、どこからか見ていたのよ
Max:2組の繭とナセドと別のもう1人宇宙船に乗っていた以外に
 地球で待っていた者がいた・・
Isabel:あの人がその人物なのかは、はっきりしないわ
Max:悪く考えると僕たちを追ってきた敵の可能性もあるよ
Isabel:そうよね・・でも最後に私に向かって言ったの
 キバーがガンダリウムを武器にしようとしているって・・
Alex:イザベル、貸して
 マックス、僕は二人を町に連れて帰ってほしいよ
 でも、彼の正体をはっきりさせるためには、そのロッジに誰かがいた方が
 便利じゃないのかな
 僕たちの誰かが出かけて行くのは不自然に思われる
Max:休暇を過ごすために、その男より先に森にいた方が疑われない

Alex:あぁ、その役は、きっとマイケルが引き受けるだろうね
 だとすれば、マリアは引きずられても、残ると頑張るだろう
Max:マリアは連れて帰るよ
Alex:マックス、君はマリアをまだわかっちゃいないね
アレックスはリズを見ながら言った
リズがアレックスを見て頷いた

Alex:マイケルといっしょならマリアは任せるよ
 忘れたのかい?僕たちはみんな仲間だよ
 誰か1人で無茶な行動をすることがなければ安全さ
アレックスの言葉が小さな棘のようにイザベルの心に刺さった
マックスと保安官はロッジに到着した

Max:ロッジについた
 アレックス、これからどうするかマイケルたちと相談してから
 又連絡する そっちのみんなを頼むよ
Alex:わかっているよ

マックスは電話を切るとロッジのドアを開けた
Max:・・ぁ
Maria:やだ・・マックス
Michael:は、早かったんだな
あわてて離れた二人は行儀よくベッドに座りなおした

Valenti:二人ともケガはないか?
幸運なことに後ろから入ってきた保安官に熱いシーンは見られずにすんだ



Michael:ってことは、そいつは僕たちの星の別の仲間ということなのか?
Max:まだ、そう決めるのは早い
二人は今まで起こった出来事をつなげていた
Michael:作戦を立てるにしても、こっちの手がかりを探るのが先だな
Max:あぁ、そうだな
 保安官、二人の無事は確認できました
 ダフ捜査官からの連絡もあるでしょうし一度町へ戻ってください
Valenti:わかった、君たちにまかせるぞ
 明朝、トレバーに、この森での滞在許可を出さなくてはいけない
 それまでに何か手がかりとなるものがわかるといいのだが
Michael:見つけますよ、必ず
Valenti:無理はするな、連絡をくれ
Max:残っているみんなのことをお願いします
保安官は帽子をかぶり直しロッジを離れた


Michael:さて僕たちも行動を始めるか
 何が出てくるか・・
マイケルとマックスは謎への入り口へ足を向けた

Michael:おっと、お前はダメ、ここで待機する
Maria:待機ってなによ!
Michael:3人いっしょに入れる大きさじゃないだろ
Maria:あたしの方が狭いところに入れるのに・・・
Michael:知ってるさ
 でもこれは僕たちが、しなければいけないことなのもわかってくれるだろ

Maria:うん・・じゃあ1時間で必ず戻ってきてよ
 それ以上過ぎたらダメだって言われていたって
 探しにいくわよ、わかった
マリアは懐中電灯をマイケルに渡して言った
Michael:約束するよ
 そっちこそ暇だからって、その辺うろつくなよ


Roswell

Kyle:どうする?
Liz:イザベル、ブロディを媒体に交信できる人なんていったかしら?
Isabel:ラレックのことね
 ポールマン牧場のこともあるからUFOセンターへ行ってみましょうか
Alex:だけど、いつでも交信できるわけじゃなかったよね
Isabel:えぇ、無理をすればブロディの命が危険になるわ
 ブロディから聞くのは諦めたほうがいいわ
Liz:でもガンダリウムを武器にすると言っていたでしょ
Isabel:いったい、どうするのかしら
 テスなにか知る方法に心当たりはない

Kyle:図書館に秘密の本はもうないのか?
Tess:私もそれを考えていたの
 ナセドはこの町の図書館に「本」があるとしか言わなかったの
Kyle:もしかすると他にもあるかもしれないな

Liz:待って、マックスからだわ
みんなはマックスからもたらされる情報を待った
Liz:えぇ、わかった
 みんなにもそう伝えるわ

Alex:どうするって?
代表するようにアレックスが聞いた
Liz:あのロッジの地下でマイケルが星のサインを見つけていたわ
Isabel:地下に何かが隠されていたのね
Liz:マイケルはマックスが来るまで待っていてくれたの
 それが何か、これから探しに行くことにしたって
Kyle:あいつが、おとなしく待っていたなんて奇跡的だ
Tess:マリアがいっしょだったからでしょ
Kyle:あぁ・・そうか・・・
Tess:ねぇカイル、なんだか違うこと想像していなかった?
カイルの思考を打ち消すようにテスが疑いの目を向けた
Kyle:何をだよ〜!
 こんな緊迫した状況でそんなこと・・
Tess:そんなことって? やっぱり考えてんじゃない
Kyle:例え話だ!
テスは疑い深そうに見つめていた
Liz:ともかく、今日はもう動かないでほしいと言っていたわ
Alex:そのほうがよさそうだね
 作戦会議はまた明日にしようか
 イザベル、聞いてる?
Isabel:えっ、そうね
 兄さんは戻らないかもしれないわよね
 家に帰ってママにキャンプに行ったって言わなくちゃ
Kyle:それじゃ今日のクラブの集会は終了だな

いつのまにか太陽は傾き始めていた
家路に着くみんなの姿をトレバーが見ていた
SecretCave

貯蔵庫の中の壁面には縄梯子があった
マックスとマイケルは注意深く底を目指した
Michael:こんなもの、なんのために作ったのかな
 マックス、壁には何か書いていないか?
Max:何もない
 どこかに入り口の鍵があるのかな
Michael:到着だ ここの地面からあの文字が輝いていた
マイケルが手をかざすとサインが浮かんだ
Michael:これだ!
左側の壁が開き始めた
Max:マイケルあれを見ろ!
Michael:なんだあれは・・・


Maria:退屈だな〜
 こんなところに1人で残されたって、何しろっていうのよ
マリアは見るとなしに窓を見ていた
そこに妖しく輝く蒼い蝶が見えた
うわぁキレイ!
窓を開けると蝶は室内に舞い込んできた
蒼い蝶は幸運を運んでくれるっていうわよね
あんた何か知ってる?
マリアは蝶の後をついていった
蝶が羽を休めた場所は、マイケルたちが降りていった貯蔵庫の入り口だった
そこはもう捜索隊が出動すみよ
・・あら?
枠が組み込まれていた側面に蝶は留まっていた
土の壁から革紐が下がっている
マリアがそれを引っ張ると革の袋が出てきた

 これ通信機と同じ形だわ!色が少し違っているわ・・
 ありがと!
 あんたやっぱり幸運を運んできてくれたのね

蝶が飛び立った・・・・
突然、マリアの脳裏に映像が浮かんだ

 なんだろう・・
 身体が動かない・・
 『君がマイケルを、どれだけ大事に想っているか
  そしてマイケルも誰よりも君を必要としていることも
  知っている だが危険はすぐ側まで来ている』
  どこかで誰かがマリアに語りかけていた
   マリアは瞬きも出来ずに座り込んでいた

  マイケル・・・助けて・・・

=to be continued=